『れっでぃーっす・じぇんとるめーん・あーんど・ちるどれーん!!』
(司会・草鹿やちる)

『さあ! 待たせたなモモ王子を我が物にせんと集まった野郎共! 王子とダンスを踊りたければ、その前に刀を手に互いに踊り合い、血しぶきを以ってその資格を得るがいい! モモ王子争奪武道大会の開幕だ!』(司会その2・大前田希千代)

「・・・おい」

『まれりーん・・・その台詞、クッサいよー・・・』

『仕方ねえだろー? 市丸隊長の書いた台本にそう書いてあるんだから』

「おいっての」

『でもさ、もうちょっとアドリブとかしようよー?』

『やだよ面倒臭え・・・。時間外手当も出ない仕事に心血注いでたまるかっての』


「 お い っ て 言 っ て ん だ ろ う が !!


『『 わ あ っ !? ・・・あ、シロデレラ』』



『 シロデレラ 2 』
  − A girl ( ? ) on buttlefield −



「はるばる城まで来てみれば・・・一体何なんだ武道大会ってのは!? そんな筋書き、童話の原作になかっただろ?」

(プチッ)(←マイク切った)「だってさー、トーシローちゃーん」

「トーシローちゃんはやめろ」(←本気でイヤ)

「藍染隊長が市丸隊長が台本変えたんスよ。何でも『テコ入れ』が必要だって」

「・・・『テコ入れ』ぇ? 大前田、何だよそれは?」

「解説が必要かネ?」(解説マン・涅マユリ)
(↑全死神中二番目に説明セリフ率が高いから)(多分)(トップ藍染)

「うおっ!? マユリレ・・・いや、涅! どっから沸いて出やがった!(冷汗)」

「(・・・マユリレ?)そんな事はどうでもいいヨ。説明しよう! 


  【テコ入れ】

 連載漫画で人気にやや蔭りが出た際に、主に編集部から発令される人気挽回策。
 今までの作品イメージの方向転換だったり、ただピンポイントに萌えを発給したり。
 ただし多用すると単に『ハジけた漫画』として、読者に認知されてしまうヨ。
 (類義語【新機軸を打ち出す】) 

 ○具体例
 ・いきなり武道大会が始まる
 ・主人公の親友が敵側に
 ・主人公の父親がラスボスに
 ・ヒーローとヒロインが実は兄妹
 ・女性キャラのパンチラ率が上がる
 ・少年キャラのナマ足率が上がる
 ・糸目開眼
 ・眼鏡オールバック化
                              ・・・分かったかネ?」

「ありがとう! よく分かったよマユリン!」(←棒読み)

「さすが涅隊長! 簡潔かつ分かりやすいご説明ありがとうございます!」(←棒読み)

「納得してんなよ二人とも! ・・・で、結局、舞踏会じゃなくて武道大会って訳かよ・・・。下手なシャレにもなってねえ・・・」

「そういうことサ。まあ、原作でもいつそうなるか分からないしネ☆」

「 不 吉 な 予 言 を す る ん じ ゃ ね え !(鳥肌) 本当にそうなったらどうすんだ!(汗)」(←3番目が実現しても嫌です) 

「まあまあ。とにかくね、トーシローちゃんにも例外なく、ガ ッ チ リ 戦ってもらうから!」

「・・・はぁ? だって俺主役だろ? 主役が王子と結ばれるんじゃないのか?」

「それが、主役脇役に関係なく、勝者ただ一人だけがモモ王子とラストで結ばれるって事になったんスよ」

「・・・それ、誰が決めた?」

「市丸隊長(脚本担当)が」

「・・・いつ?」

「ついさっきだよー」

「あんの狐野郎ーーー!!! 絶対コレ嫌がらせだ! 俺への嫌がらせだー!(泣)

「まあまあ。面倒臭えのは分かるッスけど、責任者の藍染隊長も、
『いいアイデアかも知れないね。招待席には現役の統学院の奨学生も多数いる事だし、模擬試合の見学は彼らのいい勉強になる。・・・何より、そのルールなら僕も出場できる訳だしね(キラーン)(←メガネ光った)・・・・・・っておっしゃってましたしね」

「最後のが最大の理由なんじゃねえか! 少しは疑えよ大前田ァー!!(怒)」

「はーいはいはい。時間ないんだからワガママ言わないの! 三回勝てばいいだけなんだから、頑張ってねトーシローちゃん!」

「結局俺はあいつらの掌の上なのかあああぁぁぁぁ・・・・・・!!」(←今さら)



 ●


  【第一回戦 シロデレラ vs 吉良イヅル】


「参加者が使うのは浅打か・・・。まあ、斬魄刀使ったら会場壊れちまうしな。・・・雛森を狙うヤツは全員、氷輪丸で氷漬けにしてやろうかと思っていたんだが(ボソッ)」

「・・・日番谷隊長、今何かコワい事言いませんでした?(冷汗)」

「何も言ってねえよ?(←いい笑顔で) ・・・さて、最初の相手はお前か、吉良」

「はい。日番谷隊長といえど、僕も負けはしませんよ・・・! 王子と結ばれたいのはあなただけではないんです。たまには 脇 役 に も い い 目 に あ わ せ て く だ さ い !(必死)」

「(・・・えらい気迫だな、余程ふだん貧乏クジ引いてる鬱憤が溜まってるな・・・)・・・まあ落ち着け。俺も無駄な血を流させたくはねえんだ。今のうちに降参しておけ? 俺に勝てると本気で思ってんのか?」

「思って・・・ません。でも、ここで引く訳にはいかないんです!」

「・・・仕方ねえな。このネタだけは使うまいと思ってたんだが・・・。吉良・・・お前、去年の年末、義骸使って現世のドコに行ってた・・・?」(ニヤリ)

「・・・・・・エ?」(ギクッ)

「確か紙袋いっぱいにナニかを買ってきていたなぁ・・・?」(ニヤーリ)

「・・・・・・っはあああああぁぁぁっ!!?」(ギックーン)

「お前の机の中に隠してある、雛森本『執務室と死覇装と私』、アレ、その時に買ってきたんだろう・・・?」(ニヤーーリ)

「・・・ちっ違うんですアレは! あの時は! 市丸隊長が『ついておいで、イヅル』って僕を無理矢理・・・!」(←テンパってる)


(場内放送)『・・・おーい、聞こえてるかぁ、イヅルぅー?』


「市丸隊長ー! 隊長からも言って下さい! 冬コミには市丸隊長にお供しただけで、僕は行きたくて行った訳じゃないって!」(←もういっぱいいっぱい)


(場内放送)『・・・イヅル、もう黙っとき。 ま だ 死 ぬ ん 嫌 や ろ ? 』


「・・・・・・はいぃ・・・・・・・・・(しくしくしくしくしく)」

「まあそう落ち込むな吉良。男子たるもの一度は通る道だ(←そうか?)。今回は俺に勝ちを譲っておけ」

「・・・・・・・・・はいぃぃ・・・・・・・・・降参します・・・」


  【第一回戦・結果】 ○シロデレラ vs ×吉良 (1分35秒・降参) 



  ●



   どうして こうなった?


 十二番隊に配属され、数年ぶりのチャリティー演劇があると聞いた。

 憧れの雛森先輩が舞台に立つらしいけど、正直、新人の俺には縁遠い話だ。

 一夜明け、今日になって副隊長直々の呼び出しを受けた。どうやら特別任務らしい。

 隊長のマユリ様が解説マンに抜擢され、舞踏会エキストラの代役をしろという。

 女装はするけど恥を捨てればそう難しい役じゃない。

 正直・チャンスだと思った。

 これで首尾よくやれば憧れの雛森先輩とお近づきになれるかもしれない・・・俺はツイてるぞ!


   なのに どうしてこうなった?


 こんなの話が違う、こんなの・・・!

 俺の役目は舞踏会にちょっと出て、雛森先輩と踊るだけ・・・

 話が違うよ涅(ネム)副隊長、こんな・・・


  【第二回戦 シロデレラ vs 十二番隊新人隊員・佐藤(仮)】


「こんな、日番谷隊長と戦うだなんて聞いてないぃぃ・・・!!」(←ネムに騙された)



『頑張って戦ってくださいね、佐藤(仮)さん』

「いや絶対、ぜーったい無理ですからコレ! ああほら睨んでる睨んでる!(滝汗)」

「さ・・・遠慮せずに 来 い や 」(←超余裕)

『大丈夫! 我が十二番隊隊員の底力を私もマユリ様も信じていますよ。さあ、根性を出して!』

「う、うあああああぁぁぁぁぁ! こうなりゃヤケだーーっっ!!」






「・・・ボーナスゲームだったな、こりゃ。さ、次、次」

「うう・・・雛森せんぱぁい・・・(泣)」


  【第二回戦・結果】 ○日番谷 vs ×佐藤(仮) (0分13秒・ボコボコ)


『あら残念。やはり無理だったようです。お大事にね佐藤(仮)さん。(←良心の呵責もなく)
・・・こうしてシロデレラは順当に勝ち進み、アコガレのモモ王子様との感動のエンディングを目指して突き進んでいきました。しかし、最後にして最強の敵がシロデレラの前に立ちふさがろうとしているのでした・・・!』



  ●



「ふうっ。これでようやく二人・・・。残るはあと一人か」

少年が額に滲んだ汗を拭ったその時。
その背後からゆっくりと、膨大な霊圧を放つ人物が近づくのを彼は感じ取った。

奇妙な寒気と共に吹き出る、冷ややかな汗。まだ未熟だった頃、自分の力量では敵わない虚と対峙した時の感覚に、それは似ていた。
久しく感じていなかった畏怖と・・・それを上回る高揚感。

「・・・はっ。よりによって・・・貴様とはな」

根付いた恐怖を否定すべく口元に薄笑いすら浮かべて言い、少年は振り返った。
そして、確認する。その男の姿を。
全存在を懸けて、・・・勝たねばならぬ男を。

「や、日番谷君。・・・やはり、勝ち上がって来たね」

「藍染・・・俺は、てめえを・・・倒す」

「・・・あまり強い言葉を遣うなよ。弱く見えるぞ」

露骨な殺気を全く気にする風でもなく、朗らかな・・・しかし揺るがぬ表情で、藍染は手にした刀の匕首を切った。
呼応するかの様に、少年の身体からも底の知れない霊圧の波が放出される。

周囲で見守る人々の殆どが、意識せぬまま、ごくりと唾を飲み込んだ。

・・・最後の戦いが、始まろうとしていた。






  ・・・・・・二人とも、ドレス着たまんまで。(←藍染のドレスはスカイブルー)





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