○ご注意(本文に進む前に必ずお読みください)○

 ・ギャグで笑いを目的とした物語です。(実際笑えるかどうかは別として)
 ・日番谷君が結構酷い目に逢います。また、女装をします・・・。
 ・各キャラクターのイメージを崩す恐れがあります。
 ・結構長いです・・・。

以上の項目がお嫌いな方、また意味が分からないという方はご覧にならないことをお勧めします。

それでも見てやろうじゃないか! という太っ腹な方! ありがとうございます! 

どうぞぐぐっとお進みください!









『 シロ雪姫 』
  − THE SHOW MUST GO ON ! −



『 むかしむかし、とある豊かな国に、シロ雪姫というそれはそれは美しい王女がいました。
  その瞳はヒスイの色、その唇は紅い血の色、その髪と膚は透き通るような雪の色をしています。
  しかし、シロ雪姫はその美しさゆえ、継母である女王の深い嫉妬をうけてしまいました。
  継母は策を巡らせ、金を握らせた狩人に、シロ雪姫を森に連れて行かせました。
  どうなる! 危うし! シロ雪姫! 』(ナレーター・涅ネム)


「(日番谷隊長、次の台詞は『ああ、こんな深い森の奥までわたくしを連れてきて、どうなさるおつもりですの? 狩人さん』です)」(黒子兼プロンプター・伊勢七緒)
(※注・プロンプター:役者に台詞を教える人)

「『あ・・・ああ、こ・・・こんな深い森の奥までわたくしを連れてきて、どうなさるおつもりですの? か・・・狩人さん』」(シロ雪姫・日番谷冬獅郎)

『言ってて自分で恥ずかしくないんですか、日番谷隊長? 女装までして()』

う る せ え よ !(泣) 俺だって好きでこんな事やってんじゃねえ! ナレーターはナレーションにだけ集中しとけ!」

「余計なことは抜かすなシロ雪姫。ほら、さっさと来い! ・・・全く刑軍軍団長ともあろう私が何故このような・・・(ぶつぶつ)」(狩人・砕蜂)

「うう・・・ちくしょう・・・安請け合いするんじゃなかった・・・。藍染のヤロウ、後でただじゃすまさねえからな・・・!」


事の始まりは一ヶ月前、隊首会にさかのぼる。



  ●



「・・・本日の議案は以上だが、皆、他に何かあるかの? ん、何じゃ藍染?」

「えー・・・、当五番隊で以前から企画しておりました『統学院奨学金チャリティー演劇』についてなのですが、是非他隊の隊長・副隊長にもご協力・ご出演を要請したく思いまして」

「えー・・・?」(×11)(反対の声)

「仕方がないのう、そう言われては手伝わずにはいられん(ウキウキ)。勿論、この総隊長が直々に協力を惜しまぬのじゃから、皆も参加するのじゃぞ?(ワクワク)」

「・・・はーい・・・(あーあ、じーさんやる気だよ・・・)」(×11)(諦めの声)

「ありがとうございます(ニヤリ)。今回のチャリティー収益による奨学金は、主に流魂街出身の死神候補生の学費・生活費に充てられる予定です。そこで、今回の演劇の主役に日番谷隊長、副主役に当五番隊副隊長・雛森桃を抜擢したいのですが」

「ちょっと待て! 協力ぐらいならしてやってもいいが、何で主役が俺なんだよ!?」

「日番谷君、君は知らないかも知れないが、君は一部の学生達の間ではスターなんだよ? 流魂街出身でその年齢で隊長まで上り詰めるだなんて、ちょっとしたサクセスストーリーだ。君を目標にして頑張っている学生は沢山いる。その君と、同じく人気の高い雛森君が主役と副主役を張って、その収益が彼らの役に立つ。これ以上の乙な配役があるだろうか?」

「くっ・・・(畜生、もっともらしいことを言いやがって・・・!)」

「決まり、じゃな。よいな? 日番谷や」

「・・・仕方がない、そういうことなら、やりますよ。だが俺も忙しい身だ。練習だの何だのに費やす時間はねえぞ?」

「それは大丈夫。ちゃんとプロンプターをつけて、ブッツケ本番でもきちんと演じられるようにするから」

「それって大丈夫なのか・・・? まあいい、後輩の役に立つんなら、やってやるよ、俺」

「ありがとう。よろしく頼むよ、日番谷君。さて、現在既に決定している項目としましては、演目は『シロ雪姫』、配役は雛森君が王子、日番谷隊長がシロ雪ひ」

「 ち ょ っ と 待 て (怒)」

「何だい?」(爽やかに)

「何だじゃねえよ何だじゃ! 何で俺が姫役なんだ!? 普通逆だろうが!!」

「あ、そうか日番谷君、雛森君を姫にして自分は王子としてラブラブしたかったんだね?」

「そういう事言ってんじゃねえよ!」(←でもそれもいいな、とかちょっと思った)

「困った子だ(フゥ)。ならどうしろと?」

「せめて 女 装 は 勘 弁 し て く れ 。男役なら何でもやるから」

「・・・それはできない」

「何でだよ」

「いいかい? 今回の興行の目的が単なる収益の最大化ではなくあくまで社会的福祉の為である以上、通常の演劇が要求される以上に観客の要望すなわち需要項目を満たさなくてはならない。要するに観客の『萌え』を満たさねばならない訳だよ。そして想定される観客層は可処分所得が比較的多く社会福祉に投資するのを厭わない女性層が圧倒的に多い。その層が要求する『萌え』の具体的項目はというと『お約束』と更にそれを一歩上回る『意外性』だ。その両方を満たすには人気絶頂の少年隊長が恥らいながらも懸命に役割を果たすというすなわち女装が最も効果的であると我が五番隊独自の調査結」
(※注・真に受けないで下さい。テキトーです)

「ゴ タ ク は い ら ね え。丸め込もうったってそうはいくか! 何を言われたって俺は絶対にそんな役やんねぇからな!」

「仕方ない・・・この手だけは使いたくなかったんだが・・・。(キラーン)(←メガネ光った)
・・・ちょっとこっちにおいで日番谷君」(にっこり)

「何だよ・・・内緒話か? 俺には内緒にしなきゃなんないような事は何もないぜ? 何を言われたって女装して演劇なんて冗談じゃね・・・」

「・・・(ボソッ)『BLEACHガシャポンフィギュア第三弾・レア雛森桃セーラー服ver.』を、君が大事に机の引き出しにしまってあるの、みんなにバラしてあげようか・・・?」(ニヤリ)

・・・やるやりますお願いですからこの俺にやらせてください・・・・・・ッ!!(滝汗)」

「決まりじゃな! 頼んだぞ日番谷や!」


・・・・・・こうして日番谷冬獅郎はシロ雪姫を演じることになったのだった・・・。
(※注・上記のフィギュアは実在しません)



  ●



『狩人は森の奥深くでシロ雪姫を殺そうと考えていました。しかし、ふと狩人がシロ雪姫の顔をよく見ると、ああ、何と美しい娘なのでしょう・・・!』

「・・・(じっ)」

「何だよ砕蜂・・・いや、狩人さん」

「・・・・・・・・・(じーっ)」

「おい?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・プッ

「ああそうかよ! 笑いたきゃ笑え! どうせ好きでやってる女装じゃねんだ、笑われたって傷つくもんか! ああそうさ俺は傷つきゃしねえぞ!(泣)」(←少しは傷ついたらしい)

「プッ・・・クックック・・・い、いや、えーと台詞台詞・・・『ああ何と美しい少女なのだろう! お后様の命令とはいえ、こんな美しい娘を殺めるのは心苦しい! さあ、行きなさい、シロ雪姫。森の更に深くへと行き、そこで隠れて暮らすといい』」

「お・・・おう。『で・・・では御機嫌よう、心優しい狩人さん』」

「『どういたしまして。気をつけてお行き、シロ雪姫』。・・・そうそう、忘れるところだった。手を出すがいい、シロ雪姫」

「手? 何だよ、何かくれんのか? ・・・ホレ」

「『尽敵螫殺・雀蜂』!!」

 
 シ ャ ッ !


「うおっ!? い、いきなり何すんだ!? 何だこの手のひらについた蝶の模様は! 新手のボディペインティングか!?」

「ふふ・・・。これは我が斬魄刀の能力。弐撃必殺でもう一度この蝶の模様に攻撃すれば、シロ雪姫、お前は必ず死ぬ。いいか、途中で劇を投げ出して逃げようなどとはゆめゆめ思わぬことだ。この砕蜂、どこまででも追いかけ、必ず貴様を死に追いやってやる」

「ああ成る程・・・ってそういうことか 畜 生 ー ー ー !!!(泣)」

「ふはは! では精々頑張るが良い! さらば日番谷いやシロ雪姫!」

「あーもう・・・どんな手ぬかりも無ぇんだな・・・(ガックリ)」


『シロ雪姫は狩人と別れ、一人で森をさまようことになりました。しかしか弱い少女が暗い森を一人で歩き回るのは危険きわまりありません。たちまち迷って途方に暮れてしまいました。シロ雪姫は疲れ果て、もう歩けないかと思ったその時、どこからか声が・・・!』


「シロ雪姫ー」

「雪姫ー」

「めー」

「何だ・・・? ああ、3バカトリオか

「(誰がじゃい!)このまま進むと小人さん達のおうちがあるよー」(森の黒いお花・射場鉄左衛門)

「(こんのクソガキ・・・ッ)おうちがあるよー」(森の白いお花・檜左木修兵)

「(俺をこの二人と一緒にすんな!)あるよー」(森の赤いお花・阿散井恋次)

「(日番谷隊長、『まあ、それではそこまで行って少し休ませていただきましょう!』です)」

「『ま・・・まあ、それではそこまで行って少し休ませていただきましょう』これでいいのか? 伊勢」

「(その調子その調子。さ、この場面は終わりで次に進みますよ)」

「あーくそ・・・。まだあんのかよ・・・まあいい、次だ次」


『こうして森に咲くキレイなお花さんたちのお陰で、シロ雪姫は先に進むことができました』


「あの・・・射場さん?」

「何じゃい恋次」

「俺らの出番って・・・これだけなんスか?」

「そうじゃい」

「少なくないです? 何ていうかこう、セリフとか、見せ場とか」

「馬鹿いえ阿散井。大事な役じゃねえか」

「いやそうは言ってもですね檜左木センパイ、出番のワリにはこのゴ ッ テ リした花の衣装が気合入りすぎている気が、俺はするんスけど・・・。あと何でほっぺたにグリグリとうずまき模様まで書かれたのか・・・」(←マッ○ーを使用)(※油性

「馬鹿じゃのう恋次。藍染隊長が仰ってたぞ? 『演劇の神は、細部にこだわってこそ宿る』って」

「・・・・・・はあ・・・・・・(あの人が言うことなら尚更信用できねぇ気がする・・・)」



  ●



『シロ雪姫はとうとう、一軒のカワイイお家を見つけました。中には誰もいませんでしたが、小さなベッドが7つ。シロ雪姫はとりあえず、疲れた身体をそこで休めることにしました』


どう見てもクィーンサイズのベッドだと思うんだが・・・どんなサイズの小人だよ(そこはかとなくイヤな予感)。とりあえず、寝なきゃ話が進まねぇ・・・寝るか」


  ・・・ハ・・・ホー☆ ・・・イホ・・・♪


「・・・何だ? どっかから声が・・・?」


  ・・・ハイホー☆ ・・・ハイホー♪ ハイホー☆ ハイホー♪ ハイホー! ハイホー!!


「・・・来る! どこからか野太いダミ声の労働歌が、この家に近づいてくる・・・!!」

「 ハ ァ イ ホ ォ ォ ォ ッ !! (意訳:ただいま)」(×7)(バターン!!)

「・・・うっああああああ!! 山本総隊長!? それに他のオッサン達・・・朽木、浮竹、更木、狛村、京楽、吉良!! 何でこのメンツが・・・っていうか、なんで衣装が
ビ キ ニ パ ン ツ 一 丁 に ポ ン ポ ン 帽 子 な ん だ よ !?」

「いいだろうこのポンポン帽子。俺のは髪型に合わせた特別製で、グリーンのパンツとおそろいのグリーンの帽子に、ポンポン11個だ」

「いや更木(小人グリーン)、俺が追求したいのはそこじゃなくて!

「なら何だ? やちるも気に入ってくれたんだぞ? 何の問題もない」

「お前に問題は無くても俺と演劇的に大問題なんだよ! 大体なんだそのピッタリビキニは!」

「何っていってものう・・・ホレ、観客へのサービス?」(小人パープル・山本総隊長)

「どういう層へのアピールなんだかよく知らねぇが、京楽のオヤジ(小人ピンク)はちょっとマズイんじゃないのか? ほら、胸毛とか腹毛とかスネ毛とか。近年、猥褻物陳列罪って厳しいらしいし」
(※注・別にこれぐらいじゃ抵触しません)

「何を言うんだ冬獅郎くん! このマッチョなバディにリッチなギャランドゥ! これにはお嬢さんも奥様も大奥様もメロメロさ! さあまずは愛しき七緒ちゃーん! この胸に飛び込んでおいで!!」

「・・・じゃあ遠慮なく失礼します」(ユラリ・・・

「おお! カモンハニー! この胸はキミだけに24時間オープンしゴ フ ア ッ ! 」
(決まり手:リバーブロー)(オプション:メリケンサック)(師匠:夜一)

「・・・急所か。愛か憎悪か、強力な感情の何かを内臓に直接叩き込んだな。・・・彼を連れて行く気か。伊勢」

「14巻と似たようなセリフで感心してる場合かよ、浮竹(小人ブルー)・・・。お、おいどこ行くんだよ伊勢? お前がいなくなったら俺、台詞どうしたらいいんだよ!? おーい!」

(ズルズルズルズル)「申し訳ありません日番谷隊長、私はコレ・・・いえ、京楽隊長がお倒れになったので救護詰め所にお連れしてきます。お話の大体の流れはご存知ですね? 後は頑張ってご自分でなんとかして頂けませんか。大丈夫、天才児とまでうたわれた貴方ならきっとやれます! じゃあ私はこれで!」(ズルズルズルズル)

「そりゃ話の流れは分かるけどよ・・・(泣)。ああもう、しゃあねえ・・・イロモノ小人も多少減ってくれたみたいだし・・・あ、毛で脱落といえば、狛村(小人レッド)は大丈夫なのか? パンツいっちょに全身もじゃもじゃで」
(※注・だから体毛で法に抵触することはありません)

「気にするでない、日番谷や。狛村はホレ、よく見てみ? 最近ああいうのブームらしいしのう・・・(ほぅ・・・)」

「ああ・・・言われてみれば、最近よく見かけるな、ああいう犬。人間の服着てる奴・・・(ほぅ・・・)」

「元柳斎殿、日番谷、妙に和んだ眼でこっちを見るのは止めていただけまいか(泣)」

「気にするな、狛村よ・・・。たまにはこういう格好も、開放感があって良いではないか。そう、普段貴族の生活では味わえない、外界とのこの直接的な感触・・・。・・・ふ、たまには貴族の殻を破り捨てるのもいいかも知れぬな・・・」

「・・・いやあの、どうせ貴族の殻を脱ぐならもっと他のベクトルの方がいいんじゃないかっていうか、そもそもパンツ一丁でもそのマフラーだけは外さないのかっていうか、俺はどっちからツッコむべきなのかな朽木たいちょー(小人ホワイト)・・・・・・?」

「まあまあ。深いことを気にするでない、日番谷」

「・・・ちなみにその小人カラー、何がどういう訳でそう配分されたんです、総隊長」

「役職と勤続年数が高い順に、好きな色を選んだのじゃ」(←パープル)

「(だからって紫って趣味もどうかと・・・)・・・ああそうか、成程、それで吉良がカレーか(納得)」

「せめてイエローと言って下さい・・・(泣)」(←カレー)

「ははは、災難だったなあ、吉良・・・ゴ フ ア ッ !

「わああああ!? 浮竹が吐血したー!? 大丈夫かおい!!」

「いかん、医療班を呼ぶんじゃ! 卯ノ花! 虎徹ー!」

(バタバタ)「ただ今! 行きますよ勇音!」

(バタバタバタ)「はい! ああもう、だから裸にパンツ一丁の役なんて身体に悪いと、あれほど申し上げましたのに!」

「とにかく運びますよ! 山本総隊長、そういう訳で浮竹隊長は出演中止です!」(バタバタバタ・・・)

「後のことは私どもに任せて、皆さんはどうぞ舞台をお続けください!」(バタバタ・・・)

「おーいぃ・・・(出来ることなら俺も離脱してぇよ・・・)。とりあえず、大事になー・・・」



  ●



『その頃お城では、シロ雪姫がもう死んだと思い込んだ継母が、ご機嫌で魔法の鏡に向かっていました』


「あぁ・・・鏡よ鏡よ鏡さん? 世界で一番美しいのはだ・あ・れ?」(継母・松本乱菊)

「女王様、申し上げます。それは・・・シロ雪姫です」(魔法の鏡・大前田希千代)

「大前田アンタそんな趣味が・・・。後で体育館裏にいらっしゃい。ちょっと話し合う必要があるみたいだから」

「眼がマジだよ乱菊さん! 誰も狙っちゃいませんて! お話なんだから仕方ないでしょう!」

「・・・まあいいわ。シロ雪姫め! まだ生きていたのね! 今度はわたくしが自らが直々に手を下してやるわ! ちょっとばかり足が細くて、石鹸で洗ってるだけなのにお肌なんてつるつるで、バカ高い美白用品使わなくても色白で、トリートメントしなくても髪がサラサラで、カロリーなんて気にしないで好きなだけ食べても太らないからって、あまり調子にのってはいられなくてよ! その若さも美貌も、今にわたくしの術で地に堕ちるのよ!

「・・・あの・・・松本副隊長・・・素で嫉妬が入ってはいませんか・・・」(継母の従者・一番隊副隊長)

本 名 す ら な い 奴 は 黙 っ て て

「・・・はい・・・(くそ、好きで名無しな訳ではないのに・・・!)」


『こうして継母は怪しい薬を手に、大ナベに向かって怪しい何かを作り始めました。そうです、継母の正体は、何と恐ろしい魔女だったのです・・・!』



  ●


『シロ雪姫は身をかくまってもらう代わりに、毎日一生懸命、小人さん達のパンツを洗ったりパンツを洗ったりパンツを洗ったりパ』

パンツ洗ってばっかじゃねぇかよ!」(ゴシゴシ)

「ふっ・・・分っておらぬようだな、兄は」

「くっ・・・朽木・・・隊長・・・!?」

「なぜパンツ洗いが必要か・・・それは、永く語り継がれる物語はその中に教訓を含んでこそ虚構のなかに現実味を帯びるものだからだ。たとえば聞き手が自己を投影する対象としての主人公が結果的に幸せを手にするには何らかの代償が必要になる。例えればそれはメタファーとして身体の一部を供出することもあれば或いは他人への無限の奉仕であったりとさまざまな形で日常生活において旨とさ」

「いや言ってることは至極もっともかも知れないが、なぜパンツ洗いなのかの根本的な説明になってない上、そのパンツマフラー姿じゃ 全 っ 然 説得力無いから

「ふ・・・仕方が無い、兄に新しい仕事をくれてやろう」

「スルーしやがったな、今。・・・まあいい、パンツ洗い以外なら何でもやるぜ」

「では、コレを洗え」

スルッ・・・ と小人さん(ホワイト)は首に巻いていた銀白風花紗をシロ雪姫に渡した。

「コレを洗えって・・・それだけでいいのか? よし分かった、これぐらいなら朝飯前だ!」

「だが気をつけるがいい・・・これ一枚で屋敷が三軒立つ高価なものだからな。エ○ールを使って優しく手洗い、干すのは陰干し。縮んだら相応の対価は払ってもらう」

「・・・ッ!(←先月の給料ガシャポンにつぎ込んだ) スイマセン俺パンツ洗イデイイデス・・・(泣)」

「そうか・・・ではせいぜい頑張るが良い、シロ雪姫」

「 ち く し ょ お お ぉ お ー ! 」(ゴシゴシゴシゴシ)



  ●


『シロ雪姫は7人・・・いえ5人の小人さん達といっしょに、森の中で楽しく(?)暮らしていました。そこにある日、みすぼらしいローブをまとい、手には大きなバスケットを持ったおばあさんがやって来ました。その顔はしおしおのかさかさ、しみそばかすだらけでした』

「松本・・・素ッピンか?」(←かわいそうな人を見る眼で)

特 殊 メ イ ク で す(怒)。はいはい、いいからちゃっちゃとこのリンゴをお食べ、シロ雪姫!」

「て、展開が早すぎるぞ!? まぁ早く終わるんならいいけどよ・・・って、おい松本」

「松本じゃなくて、お・ば・あ・さ・ん(不本意だけど)。何ですシロ雪姫」

「何だこの 四 番 隊 ド ク ロ マ ー ク の つ い た リ ン ゴ は(汗)!」

「見たままの、四番隊が用意してくれたリンゴですよ?」

「こんなもんが食えるかぁ! あからさまに怪しいじゃねえか!」

「あら、折角卯ノ花隊長が用意して下さったのに・・・困った子だ(フゥ)」(←藍染のマネ)

「お前までそのフレーズを使うんじゃねえよ(怒)」

「最終手段です・・・特殊効果班、カ モ ー ー ー ン !!!

「は? 特殊効果って・・・」

「呼んだかい?」

「と、東仙!? ・・・ちょっと待て、まさか、お前ら・・・」

「じゃ、お願いしますね、東仙隊長」

「恨みは無い。だが、舞台の為には君の意識を滅すも巳むなし。『鳴け・清虫』・・・!」


 リ ・・・・・・ ン ・・・・・・ 


「なっ・・・!(パタッ)」(←即座に熟睡)

「・・・許せシロ雪姫。無意味な抵抗の、これが結末だ。眠れ。君の戦いはじき終わる・・・・・・」

「いえまだまだ続くんですけどね。とりあえず、東仙隊長、ご協力ありがとうございましたー!」







『シロ雪姫は王妃の毒リンゴ(正しくは東仙の清虫)で意識を失ってしまいました・・・。何をしても起きません。悲しみに暮れた5人の小人達は、ガラスで作った美しい棺にシロ雪姫の身体を納めました。そして、我が十二番隊技術開発局の総力を結集して作成した< 霊 圧 封 印 手 錠 >を両手にし っ か り とはめ、森の広場に安置し、祈りました・・・。そこを通りすがった馬が2騎・・・』


「『あー! あれはなんでしょーか王子さまー!』」(王子の従者・草鹿やちる)

「や、やちるちゃん、もう少し小さな声でもいいんじゃないかな・・・? あれ? 小人さんが減ってる!?」(王子・雛森桃)

「ホントだ。5人になってるねー! でもまあいいや! 剣ちゃんがいるから!」

「い、いいの?(京楽隊長と浮竹隊長、大丈夫かな?) えーととにかく台詞・・・『小人さんたち、何をそんなに一生懸命祈っているのですか?』(う・・・っ。隊長達のビキニパンツ姿、近くで見ると結構エグいなぁ・・・)」

「『おうこれはこれは。隣国の王子様とお見受けします。わしらの大事なシロ雪姫が、突然眠り込み、以来全く目を覚まさなくなってしまったのです。息はありますが、これでは生きているとも言えません。わしらはこうして、ただ祈るばかりです・・・』」

「『そうでしたか・・・。ボクにもそのお顔を見せて、そして祈らせて下さいませんか・・・』どれどれ、日番谷君のお姫様ルック、どんなのかな? ・・・・・・・・・・・・・・・プッ

「雛森、当のツッコミ役が眠っておるのだから、笑ってしまっては話が進まぬぞー」

「ごっ・・・ごめんなさい、つい可愛くて・・・・・・っプ、クスクス・・・ええと・・・『な、何と美しい姫なのでしょうか! おお、生きてさえいてくれたなら、ボクはこの方に求愛し、妃として城に迎えたいほどなのに・・・! どうか、どうか目を覚まして下さい美しい人・・・!』」

(場内放送)『業務連絡でーす。東仙隊長、東仙たいちょーう。術解いて下さーい』(音声・阿近)

(はーーーい)(←返事)

「・・・・・・・・・はっ!? 俺は今まで何を!? か、身体がうまく動かねえ? ・・・って何だこの技術開発局印つきの手錠は! これのせいか!?」

(場内放送)『・・・いいから・・・どきなさいヨ阿近・・・アー、コホン、目が覚めたようだネ日番谷隊長! その手錠は気に入ってもらえたかい? 更木の眼帯と同じく、霊力を無限に食らい続けることにより霊力を抑える手錠だヨ! なあに礼はいらないから、大人しく最後まで舞台に命を捧げることだネ・・・!!』

涅、て め え の 仕 業 か ぁ ぁ !

「『よかった、目が覚めたのですね! 美しい人!』」

「うおっ雛森!? そしてこのビキニパンツの野郎共に囲まれているシチュエーションは一体何なんだ!?」

「おお! シロ雪姫! 目を覚ましたようじゃな!」(←パープル)

「良かったじゃねえかシロ雪姫。起きたなら斬り合いでもしようや」(←グリーン)

「ふ・・・王子の愛が通じたといったところか」(←ホワイト)

「良かったな、シロ雪姫。心置きなく王子の嫁になるがいい」(←レッド)

「隣国のお妃になれば継母の魔の手も及びませんよ!」(←イエロー)

「余計なお世話だ、てめえは黙ってろ! カレーパンツマン!

なんで僕だけ! それにイエローですってば!(しくしく)」
(↑ ×イエロー ○カレーパンツマン)

「『目が覚めた姿は尚いっそう美しい・・・シロ雪姫』(日番谷君日番谷君! 吉良君は ど う で も い い か らお芝居! お芝居しないと!)(ぼそぼそ)」

「お・・・おう・・・(ちくしょ・・・雛森・・・王子姿でもカワイイなぁ・・・!)」

「(いいからボーッとしてないで! 適当に台詞合わせてくれればいいから!)『シロ雪姫・・・ボクはひと目貴女を見たその時から、魔法にかけられてしまったようです・・・。どうかボクの国に来て、王妃になってはくれませんか』」

「ひ・・・雛・・・いや王子様、はい・・・喜んで・・・(こ、こんなもんでいいのか? 雛森)(ぼそぼそ)」

「(その調子! 上出来だよ!)『では・・・誓いの口付けを・・・貴女のその美しい唇を、ボクだけのものに・・・』」

は!?

「さあ・・・」

「ちょ・・・っちょ、ちょっと待ておい雛・・・俺手錠で動けないっての! 
 ・・・ち・・・近い近い近い! 顔近いって! 

  ひ な も ・・・ ・・・ ん” っ ・・・ ・・・ 」


近づく二人の姿は一つに重なり。観客の大きな拍手とともに緞帳がするすると下りていった・・・。


『こうして王子様と結ばれ、シロ雪姫は末永く幸せに暮らしたということです・・・めでたしめでたし。

 ・・・以上で護廷十三隊チャリティー演劇『シロ雪姫』を終了いたします。
 皆様、お忘れ物のないようお帰りください・・・』




             ☆ STAFF & CUST ☆

            シロ雪姫:日番谷冬獅郎
            王子:雛森桃
            王子の従者:草鹿やちる
            魔法の鏡:大前田希千代
            継母:松本乱菊
            継母の従者:一番隊副隊長
            狩人:砕蜂
            小人パープル:山本元柳斎重國
            小人ホワイト:朽木白哉
            小人ブルー:浮竹十四郎
            小人グリーン:更木剣八
            小人レッド:狛村左陣
            小人ピンク:京楽春水
            小人カレー:吉良イヅル
            花(黒百合):射場鉄左衛門
            花(白百合):檜左木修兵
            花(ラフレシア):阿散井恋次
            ナレーション:涅ネム
  
            黒子・プロンプター:伊勢七緒
            衣装:綾瀬川弓親
            ヘアメイク:斑目一角
            特殊効果:東仙要
            技術協力:涅マユリ
            音声:阿近
            医療班:卯ノ花烈・虎徹勇音
            脚本:市丸ギン

            監督・製作総指揮・黒幕:藍染惣右介



          Fin?


































  ●おまけ●


「あー、やっと終わった! 見て、観客がみんな立って拍手してくれてるよ、日番谷くん!」

ん”ん”ん”ん”−!(雛森ー!)」

「ん、何?」

ん”ん”ん”ん”ん”ん”ーん”ん”ん”ー!(それはいいから早くこのガムテープを取れー!)」

「あ、ごめんね忘れてた! はいっ!」(ベ リ ィ ッ

いっでえええ! 一気に剥がすアホがいるかー! 大体何でキスシーンの直前に人の口にこんなもん貼るんだよ!」(ヒリヒリ)

「だってお芝居なんだから本当にそんなことする訳にいかないじゃない? でもこのテープのおかげできっと、みんな迫真の演技だったって褒めてくれるよ!」

「つったってだなぁ・・・」(涙目)

「あ、ほら、みんな呼んでる! これから打ち上げだって! あたし着替えてくるから日番谷くんも早くするんだよー?」

「あ、おい待て雛森! くっそ・・・釈然としねぇえー!! ていうか手錠外してけー!!

こうして見事主役・シロ雪姫を演じきった日番谷冬獅郎であった・・・。




  ●おまけ2●


その夜。

全隊あげての演劇の成功を祝い、盛大な宴が催されていた。
(財源:山本総隊長のへそくり)(←副隊長が勝手に持ち出した)

そんな中、見事準主役を演じきった雛森は、姿が見えない日番谷の行方を探していた・・・。



「・・・・・・・・・・・・」

日番谷は、宴会の喧騒を逃れるように縁側でむくれていた。
(with 手錠)(どうやって着替えたのやら)

「こんなところに、いたんだね」

「・・・おう」

「まだ、怒ってるの?」

「・・・別に」

「やっぱり怒ってるんじゃない」

「怒ってねえっての!」

「(もう・・・それを怒ってるっていうのよ)あのね日番谷くん、あたし今日、すごく楽しかったよ?」

「・・・・・・・・・」

「普段まとまって何かをやることなんてない十三隊全部が、一つのことに協力するなんて、初めてだったから」

「・・・ああ」

「それに。その結果が、以前のあたしたちみたいに統学院で頑張ってるコたちの役に立ったんだから、こんないいことはないと思うの」

「雛森・・・お前・・・。・・・言われてみれば、そうかもしれないな」

「あとね、あたし・・・シロちゃんと一緒に舞台に立てたことが、一番楽しかった・・・(ポッ)」

「(ドキーン)おう・・・正直言うと、・・・俺も・・・お前が一緒だったから・・・」

「そう言ってもらえるなら、とっても嬉しい・・・。ね・・・また・・・一緒にやろう?」

「あ・・・ああ・・・それも、悪くないかもな・・・」


  ・・・ カ チ ッ ・・・ 


「・・・何か今、変な音がしなかったか?」

(ガサァッ)「よぉーし日番谷君、今の言葉に二言はないね! ちゃんとテープに録ったかい? ギン!

(ガサガサァッ)「ちゃんと録音しましたでー! これで証拠はバッチリ☆

「あ、藍染、市丸!? なっ・・・何で草むらから突然出てくんだよ!? それに録音って・・・何の話をしてんだてめえら・・・(ヤな汗)」

「藍染隊長、あんな感じでよかったですか?」

「上出来上出来。ご苦労様、雛森君!」

「・・・どういうことだ、藍染・・・市丸・・・雛森・・・!! てめえらいつからグルだった・・・!?

「最初から、だよ」(しれっと)

「ごめんね日番谷くーん。でも楽しかったのはホントだから! また次もやろうね!」

「こうしてはいられまへんで、藍染隊長! 早速帰って次の脚本練らんと!」

「そうだな! 次はめくるめくラブストーリー『シロデレラ』!! 今回の観客動員数を抜くぞー!!」

「わあっ面白そうですね! 次も頑張りましょう! それじゃあまたね、日番谷くん!」

「バイバーイ、千両役者はんv」

「ああ最後に。良い機会だ、一つ憶えておくといい日番谷君。
片思いは、幸せから最も遠い感情だよ?(ニヤリ)じゃ、また!」

「コラ待てお前ら! ・・・って、いつの間にか手錠、柱にくくりつけてやがったな!

  畜 生 騙 さ れ た あ あ ぁ ぁ ぁ ・・・ ・・・ っ ! ! ! 」


美しい夜空。適度に浮かれた皆の宴。

そんな中、十番隊隊長・日番谷冬獅郎の悲痛な叫びがこだました・・・。(合掌)(チーン)



   Fin.


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