『 シロデレラ? 』
− EVER AFTER ? −
「
さあ、このガラスの靴を持って、探しに行くぞ、あの運命の女(ひと)を!
」
「はい、隊長! ・・・じゃなかった、シロ王子様!」
さんぜんと輝くスポットライトを浴びて。
見事な王子様ルック(要するに白タイツ半ズボン)に扮した日番谷は、従者(松本乱菊)を連れ、舞踏会で一目惚れした娘を探しに街にやって来た。
・・・そりゃもう張り切って。
(今回は何とか藍染を言いくるめて、俺→王子、雛森→モモデレラの配役にさせたから万事オッケイ・・・!)(←藍染の机から『BLEACHガシャポンフィギュア第三弾・スペシャルレア雛森桃でかYシャツ寝起きver.』を発見してゆすったらしい)
(さあ、めくるめくラストシーンへ! 待ってろよモモデレラ・・・!)
そう思いながら、演技にも熱が入り、娘たちに次々と靴を履かせていたその時。
目の前に、みすぼらしくも、澄んだ瞳の少女が一人・・・!
「あの・・・あたしも試してよろしいでしょうか? お姉様、アイゼンハワーお母様(←藍染?)、シロ王子様」
「引っ込んでらっしゃいモモデレラ! お前には関係のない話なんやで!」
「まあ待ちなさいイチマルガリータ(←市丸?)。・・・いいわ、試してみなさい。どうせ舞踏会のときに留守番をしていたお前に、この靴が合うはずがないものね・・・! ホホホホホ!」
「(
この配役もえげつないな・・・
)か、構わん。そこの娘、試してみてくれ」(ワクワク)
「はい、では失礼して・・・」
ブ カ ッ
「・・・『ぶかっ』・・・って・・・?(汗)」
「あ・・・やっぱりあたしの足では、このガラスの靴には合わないようです。差し出がましい真似をして申し訳ありません」
「って、おい!? コラ雛森、お前が合わなくてどうする!?」
「ホラ見なさい! 合うはずがないんや!」
「王子様・・・私どもにはもう一人娘がございます、その娘に試させてもよろしゅうございますか?」
「イヤ、だって・・・雛森以外に誰
ム ガ ァ ッ !?
」
「王子、この国の娘は誰でも試すチャンスがある、そして適合しなかった者は潔く諦める。そういうルールだったでしょ?」
「
むががもがー! もがががが、むごむががー!(離せ松本ー! 俺は諦められねぇー!)
」
「ちょっとこちらにいらっしゃい、
マユリレラ
」
「むが・・・っ!?
(マユ・・・っ!?)
」
「何だネ騒がしい。・・・何? この靴が合えば、城に嫁いで金に糸目をつけずに、思う存分研究ができるのかネ? ・・・どれどれ」
ス ッ ポ リ(ピッタリ☆)
「
ヒャッハ!(喜)
」
「あら、良かったですねお姉様! モモデレラも鼻が高うございます!」
「良かったですね王子! 探していた娘が見つかって!」
「そういう訳デ、宜しく頼む。・・・
幸せにしてくれ給えヨ、王子(ポッ)
」
「 ・・・っくしょおぉぉ!!
ま た 騙 さ れ た あ ぁ ぁ ぁ ーーー!!!
」
●
「・・・・・・・・・っぁぁあ
ああああ
あぁぁぁっっ・・・・・・・・・!! ・・・・・・・・・・・・あ、・・・あ?」
ぱちっ。
日番谷が目を覚ますと、そこは見慣れた自室。まだ夜中だった。
全身はイヤーな汗にぐっしょりと濡れ、心臓はまだバクバクと大きく脈打っている。
「・・・・・・
あ、悪夢、だ
・・・・・・!(泣)」
・・・あれが夢で良かった、とか感じる以前に、
俺はそこまであの演劇に精神を侵されたのか
と、頭を抱える日番谷だった・・・。
●
「えー今回の隊首会は、先日のチャリティー演劇の結果報告について。藍染や」
「はい。皆様特に日番谷十番隊隊長のご尽力のお陰で、万事滞りなく件の演劇は成功を・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・」(
ササササササ
)
「・・・日番谷隊長、ナゼ君はそんなに私から距離をおこうとするのかネ?」
「・・・い、いや別に・・・」(
フイッ
)
「話をするときは人の目を見なさいヨ、失礼な」
「
・・・頼むから俺のことはもう放っておいてください・・・!(泣)
」
・・・あの夢を見て以来、会議で隣に立つ十二番隊隊長と、微妙な距離をはかる日番谷だった・・・。
(↑ちなみにマユリ様に罪はない)
Fin.
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