※お話の都合上、藍染→雛森、浮竹→卯ノ花、京楽→七緒、を前提でお送りします。
『 テツえもん リターンズ 』
− He's back ! −
某日、天高く馬肥ゆる秋の午後、瀞霊廷の屋外にて。
京楽春水と浮竹十四郎が、藍染惣右介を取り囲んで何やらカラんでいた・・・。
「いいじゃないか惣右介く〜ん、ちょっと、ちょっとでいいから見てみなって、このDVD!」
「結構ですよそんなの・・・僕は日本のヤツで満足ですって」
「イヤイヤイヤ、藍染、一回でいいから見てみろよ。洋モノだからって喰わず嫌いしてると損するぞ?」
「僕は控えめなので充分です、浮竹さん・・・」
「分かってない、分かってないなぁ君は。確かに日本の控えめなのもアレはアレでイイけどさぁ、亜米利加のはもう、何ていったってスケールが違うよ。こう、ドーンとしてバーンって。な、浮竹?」
「そうそう。京楽の言う通り。試してみろって藍染。一回見たらクセになるぞ。もう・・・こう・・・本能にゾクゾクくるっていうか・・・(悦)」
「ちょっとこたえられない魅力に満ち満ちているよ・・・。ああ・・・ボクのレイチェル・・・(悶)」
「・・・そ・・・そんなにイイんですか・・・?(どきどき)」
「「そりゃあもう!!」」
「じゃ・・・お借りしてみようかなぁ・・・。う〜ん・・・でもなぁ・・・困ったなぁ・・・(わくわく)」
藍染が何気なくそう呟いたその時!
『 ち ょ っ と 待 て い ! 』
と、男の声が響いた。
「「「だ・・・誰だ!!??」」」
♪ OH 〜 ☆ とっ ・・・ て 〜 も YEAH 〜 ☆ ラ ・ ヴュ 〜 ♪
「な・・・何だ? この無駄にセクシーな歌は・・・。(ハッ)
ま、まさか・・・!
」
「どうした藍染、何か知っているのか!?」
「ええ、浮竹さん。もしや・・・これは以前、雛森君が遭ったという・・・!!」
「桃ちゃんが・・・? (ハッ)ボクも風の噂に聞いたことがある・・・。彼は瀞霊廷で誰かが困っていると姿を現し・・・」
「・・・そう・・・不思議なポッケ(?)で夢を叶えてくれるという・・・」
ガ サ ガ サ ァ ッ
「 テ ツ え も ん 、 参 上 ! 」
「「「・・・っうああぁぁ!! で、出た、
射場君だーっ!?
」」」
「藪をかきわけて姿を現したのは、セクスィー☆な三本ヒゲ(←マッ○ーを使用)(※油性)を加え、更に鼻にはキュート☆な情熱の赤いつけ鼻を着用、極めつけは秋の空のようにピュア☆な青いほっかむりをした、ダンディーな男! 弱気を挫き、強きを助ける孤高のヒーロー、その名はテツえもん!!」
「・・・いや、どう見たって、射場君だよね?」
「・・・それに自分でわざわざ状況説明までするなよ、射場君」
「・・・ていうか、『強きを挫き、弱気を助ける』の間違でしょ? 射場君」
「・・・・・・ッ(←自分の間違いに気が付いた)、だ、黙らっしゃい! そんな事はどうでもいいんじゃい! それにワシは射場ではない、
テツえもん!!
」
「「「は、はあ・・・」」」(←なんとなく関わり合いになりたくない)
「オホン! さて、
のび大にジョイヤンにスネ緒!
テツえもんは全てを見ていた!」
「(ぼそぼそ)のび大って・・・僕のことですか・・・?」
「(こそこそ)やっぱそうだろ、キャラ的にメガネだし。って事は、俺がジョイヤンなのか・・・(汗)」
「(ごにょごにょ)残るボクがスネ緒か・・・七緒ちゃんとオソロイでちょっといいかも・・・(悦)」
「お三方がイイ年になっても悦楽を求める気持ちは、同じ漢(をとこ)であるこのテツえもん、よ〜く、よ〜く分かる! だがちょっと待つんじゃ、ばてれんの国のデェヴィディーなんぞでお三方は本当に満足できるのか!?」
「納得いかないなぁ。今に見ていて下さいよ、
僕がメガネを取った暁には、
のび大どころか出来松と言わせて見せますから」
「それを言ったら俺だって納得いかねぇよ、何で俺がジョイヤンなんだ」
「いや、浮竹、きっと普段はとりえがなくても(←超失礼)、いざって時に役に
だけ
立つってことだとボクは思うよ。ホラ、劇場版だとみんなを守る頼りがいのある奴になるとか」
「(
全っ然聞いとらんなこのオッサンども・・・
・怒)・・・オホン! どうじゃろう、映像なんかで我慢せず、テツえもんの便利グッズでもっと楽しいもの・・・そう、
ナマでしづかちゃんの入浴姿を見てみたくはないか!!??
」
「 「 「
マ ジ ! ?
」 」 」(←喰いついた)(オヤジまっしぐら)
「(・・・ニヤリ)マジもマジ。
テツえもん、嘘つかない。
瀞霊廷のしづかちゃんの入浴シーン、しかと見せてみせるけぇの」
「「「・・・『瀞霊廷のしづかちゃん』、って・・・?」」」
「ふっ・・・決まっているじゃろ。ヒントは、
『美しい黒髪で、和風美人で、ちょっとはにかみ屋』
。さ、お三方、その人物に心当たりは?」
「う、美しい黒髪・・・!?(卯ノ花、
卯ノ花か!?
)」
「和風美人、だって・・・!?(七緒ちゃん、
七緒ちゃんなんだね!?
)」
「ちょっとはにかみ屋っていえば・・・!!(雛森君、
雛森君しかいないだろ!!
)」
「どうやら分かったようじゃの。さ、その入浴シーンを見たいかの!?」
「「「はい、
是 非 お 願 い し ま す 、 テ ツ え も ん 様 ! !
(必死)」」」(←男としては正直でも隊長として最低)
「よし!! しかと心得た! その夢を叶えるとっておきの便利グッズがここに(ごそごそ)」
「「「
袴 に 手 ぇ 突 っ 込 む な ぁ ぁ ー ー っ ! ! !
(叫)」」」
「あったあった。ホレお三方、コレが『しづかちゃんのお風呂ノゾキ眼鏡』じゃい(ポンッ)」
「「「うああぁぁ!! 何かイヤな具合にこの眼鏡
生温かいーー!!!
」」」(泣)
「・・・っ、しかも、微妙に
スッパイ匂いがするーー!!
くっ・・・、しっかりしろ、頑張れ俺!
卯ノ花の入浴
が拝めるんだ、野郎の人肌になんぞ負けるか・・・!!(チャッ)」(←根性で着用)
「くぅ・・・っ、この
弦から伝わるイヤな温もり
なんかに・・・ま・・・負けない・・・っ! ボクは負けないよ七緒ちゃーーん、
君の柔肌を
この目で見られるなら何だってするよ・・・!(チャッ)」(←エロ根性で着用)
「ぐあ・・・っ、目が・・・目が
何かの匂いで
滲みる・・・! こ・・・こんな眼鏡ごときに負けては元祖眼鏡隊長・藍染惣右介の恥! 待っていてくれ雛森くーん、
君の全てを! 今! 見届けてあげよう!
(チャッ)」(←よくわからない根性で着用)
「うむうむ・・・
リビドーが匂いと人肌に勝った
という事じゃけぇの。良い話じゃ・・・(こくこく)」
「「「
お 前 が 言 う な ー ー ! !
( 涙 目 ) ・・・・・・って、おおっ、何かが見えてきた!!」」」
三人が匂いとイヤ〜な温もりに堪えながら、ぼんやりと開けてきた眼鏡越しの景色に目をこらすと、そこは確かに浴場のようだった。
湯気が立ち込める広い洗い場らしき場所に、ひとりの後姿が・・・
「おおっ、髪を洗ってるな!? くそっ、湯気でよく見えん・・・せめて
こっち向いてくれ、卯ノ花ー!
」
「あの黒髪は・・・間違いない、七緒ちゃんだね!! ああっ、ボクの熱い視線に気が付いて『
隊長のエチー☆
』って怒ってくれていいから、どうかボクの方を向いてくれー!」
「その意見には全面的に賛成です京楽さん! ・・・にしても、・・・華奢だと思ってたら
意外と背筋が逞しい
んだね、雛森君・・・?(汗)」
三人が熱くムサ苦しいオーラを放ちながら、鬼の形相で眼鏡の向こうを凝視したその時。
その視線に気が付いたように、『瀞霊廷のしづかちゃん』がゆっくりと振り返った。
「・・・? 何やら・・・嫌な視線を感じるが・・・気のせいか・・・?」
そう。『美しい黒髪で、和風美人で、ちょっとはにかみ屋』な、六番隊長・
朽 木 白 哉
が 。(※テツえもん、嘘ついてない)
「「「
・・・ ・・・ ・・・ う お え え え ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ! ! ! !
」」」(※お食事中の皆さんゴメンナサイ)
「よしよし。今日も
不埒なオヤジどもを成敗した!
グッジョブ、ワシ! このばてれんの国のデェヴィディーはワシが責任をもって預かっておくけぇの! では、さらばじゃ、
エロ隊長ズよ!!
(しゅたっ)」
♪ て ぇ 〜 つ え ぇ 〜 も ぉ 〜 ん 〜 ♪
(うた:まつもと らんぎく)
「「「
最 初 と 趣 旨 変 わ っ て る じ ゃ ね え か ! !
待て射場、
DVD返せーーー!!!
」」」
こうしてテツえもんは去っていった・・・。
嗚咽にムセて悶える隊長三人を残して・・・。
こうして、テツえもんのお陰(?)で、いつもの通り瀞霊廷の平和な日々は守られたのであった・・・。
今日も頑張ったぞテツえもん! 明日もあさっても頑張れワシらのテツえもん!!
(ナレーション・射場鉄左衛門)
Fin.
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