※ テッサイさんは元十二番隊副隊長という仮定のもとでのお話です
※ 三席はマユリちゃんということで
※ 笑ってゆるして。
『 テツえもん番外編 〜 それゆけ! 初代・テッえもん! 〜 』
− code name : T −
さてこれは昔々(?)。ハンサムエロ店主の浦原さんがまだ十二番隊長さんだった頃のお話。
2月15日。浦原は隊舎の廊下をとぼとぼと歩いていた・・・。
「ああ・・・昨日は誰もくれなかったッスねえ、チョコレート・・・」
そう、昨日14日はバレンタインとかいう現世伝来のお祭り。
『意中の殿方にチョコレートを渡して愛の告白をする』
『愛の告白とまでいかなくても、チョコレートを渡して殿方とのコミュニケーションを図る』
『とりあえず愛に縁はなくとも
義理で
上司・同僚にチョコレートを渡して
人間関係の円滑化を図る
』
『あわよくば1ヶ月後に
5倍返し
』
・・・という、女子にとっては非常に
有用かつシステマチックな
イベントなのである。(※個人差はある)
当然、男性死神は一日中ヒヤヒヤハラハラ。夜の帳が下りる頃にはクッキリハッキリ勝者と敗者の区別が発生し、主に後者の嘆きが赤提灯街に響き渡るそうだがその話はとりあえず今は
どうでもいい。
ともかくも、この浦原喜助も隊長室にて昨日一日、そわそわとチョコレートもとい女子を待ちわびていた。
が、生憎とやって来たのは三席のマユリ(with 新作の実験体)だけ。義理チョコひとつも貰えない始末だった。
「肝心カナメの夜一さんもサッパリだったし・・・はあ・・・まあ、あのヒトはもし手元にチョコレートがあったら先ず
自分の腹に収めるのを優先
するだろうから仕方ないか・・・」
ぶつぶつと浦原が独り言を言いながら廊下の角を曲がると、
「あっ浦原隊長、お疲れ様です! 探していたんですよ!」
そこには十二番隊のヒラ隊員、活発で有名なムネちゃんがいた。
(ちなみにこのムネちゃん、その後円満に結婚退職をしたのだが、密かに彼女を思っていた某マユリが後に彼女をモデルにし、かつ自分に従順な義骸&義魂を作成して自分の娘としたそうだが、やはり今は
どうでもいいので
話を先に進める。)
「ああ・・・お疲れ様〜、どしたの、また阿近くんあたりが実験体いじり倒した?」
「違いますよ〜! ハイ、コレ!」
そう言ってムネちゃんが差し出したのは肉色いやピンク色の包装もきらびやかな、
まごうかたなきチョコレート。
「ム・・・ムネちゃん・・・っ! コレ、アタシに・・・!?(じ〜ん・・・)」
「はい! 浦原隊長にです! 受け取って頂けますか?」
「もちろん! ・・・あのさ、コレの意味ってもしかして、ムネちゃんアタシのことを・・・(どきどき)」
「いえ
全然!!(きっぱり)
昨日好きな人にあげようと思ったんですけど〜、あいにく現世に長期出張中だったので
勿体無いから
隊長にあげます!」
「そ・・・そう・・・(汗)(←ちょっとフクザツ)。ありがとう、大事にご馳走になるッス・・・」
ムネちゃんは行き場を無くした本命チョコを浦原に押し付け、もとい進呈すると、「じゃ、これで失礼します♪」と楽しそうに去っていった・・・。
「はあ・・・まあ、1日遅れの
義理ですらないチョコ
とは言ってもチョコはチョコ。やった・・・ようやくアタシにも愛のイベントの一片が・・・! ふ〜ん♪ ふふ〜ん・・・♪」
鼻歌を歌いながら、浦原がとりあえず(ようやく)ゲットしたチョコレートの包みをガサガサと空けていると、
『ぬう・・・楽しそうですな、浦原隊長・・・チョコレイトですかな・・・?』
と、どこからともなく
野太くかつマッチョっぽい
男の声が響いた。
「だ、誰ッスか!? 隠れていても無駄ですよ!」
『誰と・・・誰と聞かれましたな・・・そう・・・私は・・・』
♪ OH 〜 ☆ とっ ・・・ て 〜 も YEAH 〜 ☆ ラ ・ ヴュ 〜
いつで〜も〜・・・ どこでぇ〜も・・・
あなたぁ〜・・・の・・・ そば・・・にぃ〜・・・
いつだってぇ〜 ボクの〜・・・ アタシの〜・・・ ねぇがいを〜・・・
かなえてぇ〜・・・ くぅれるぅ〜・・・ ステキな〜 あなたぁ〜・・・♪
「な、何スかこの
無駄にセクシーな
主題歌は!?(汗)」
ゴ ロ ゴ ロ ゴ ロ ゴ ロ ・・・
「更に雲行きまで怪しく!?」
ニ ャ ア 〜 ォ ォ ゥ ゥ 〜
「おまけに(夜一さんではない)黒猫が怪しく啼きながら通りがかった!?」(←※発情期です)
あからさまに
怪しい
現象の数々にさしもの浦原も冷や汗を流し始めたその時、
ガ サ ガ サ ガ サ ア ッ !
止めのように、何の変哲もない庭木が揺れ、中から
何かが
飛びだした!
「ヒイッ!?(汗)」
「
・・・テッえもん、ここに参上!!
」
そこにあらわれたのは・・・死覇装の袴のみを身に着け、マッチョな上半身を惜しげもなく晒し、
トレードマークのメガネとおさげも麗しい、
十二番副隊長・握菱テッサイその人だった。
・・・ただし、何故か青の手拭いを泥棒巻きにし、パーティーグッズの赤鼻を着用しているという
全く以って謎の扮装をしていたのだが。
「て・・・テッサイ!? テッサイじゃないッスか! その格好は一体!?」
「我ながらなかなかに似合っていると思いませんかな・・・この清清しいブルーのほっかむり。情熱的な赤いつけ鼻。そしてこの鍛え上げられた
マイバデー
・・・!!(
ム キ ッ
)」
「いや、そんなパーツとかマッチョバディの説明は
どうでもよくて。
勤務時間中に何やってんスかテッサイ!」
「ふふ・・・違いますぞ浦原隊長・・・。私は握菱テッサイではございません。私の名は・・・
愛と正義の勇士☆テッえもん
でございます」
「・・・
はぁ!?
いや、あの、テッサイ、春はまだ遠いよ・・・? 悩みがあるなら相談に乗るから・・・」
突然(この寒いのに)上半身裸で出現し、謎の名前を騙る部下に浦原がプチ混乱状態に陥っていると・・・
「
ウダウダつまらぬ事に拘って器の小さい男じゃのう、おぬし!
」
またどこからともなく女の声が響き、「トウッ!」という声と共に、刑軍軍団長にして浦原の親友・四楓院夜一がどこからともなく降りてきた。(屋根の上でスタンバッてたらしい)
「こ・・・これは・・・・・・
夜一さん!?
・・・うわあああ何て格好してるんスか!?」
「見れば分かるじゃろう、全身レオタードじゃ」
「やめてください! 体のラインまるわかりである意味全裸よりエロいッスよそれ!(汗)」(←錯乱中)
「煩いのう・・・じゃからおぬしはチョコレイトひとつ
しか
貰えぬというのじゃ。それに、今の儂は夜一ではない!
ヨル美ちゃんじゃ!!
」
「ヨル美ちゃん!? テッサイといい夜一サンといい、なんなんですか今日は!?」
「テッえもんだと再三申し上げておりますのに・・・まあ宜しい、今日は我々、浦原隊長に素敵なプレゼントを差し上げようと思って参った次第でございます」
「は・・・? まさか夜一サンもアタシに一日遅れのチョコレートを・・・?」
「なぜ儂がおぬしに食物をやらねばならぬのじゃ。そんな事するぐらいなら自分で食うわ(←おおぐらい)。くっくっく・・・その、十二番隊の小娘に貰ったというチョコレイト、2倍にする気はないか? 喜助よ・・・」
「2倍って・・・どういう事ッスか・・・?」
「もし浦原隊長が望まれるなら、不肖わたくしテッえもん、そのチョコレイトを二倍どころか4倍、8倍にして差し上げますぞ・・・!」
「そんな妙な金融商品じゃあるまいし
うさんくさい。
結構ッスよ、アタシはしみじみとこのチョコレートを大事に食べ・・・」
「まあそう慎み深いことを申すな! あまり控えめだと出世せんぞ?」
「もう隊長だから出世とか関係ないッスよ! ・・・って、あーっ! その手に持っているの!」
「ふむふむ・・・オーソドックスなハート型のチョコレイトじゃのう・・・」
「汚ったねえ! 瞬歩使って奪いましたね!?(汗)」
「騒ぐな、折角大事なチョコレイトを増やしてやるというのじゃから、落ち着いて見ておれ。・・・さ、テッえもん、
やるがいい
」
「合点承知!」
テッサイ・・・もとい、テッえもんはチョコレートを受け取ると、
何のためらいもなくそれを・・・
ズ ボ ッ ・・・ !
(←生々しい音)
「
うあああああ! 袴に突っ込むなああぁぁーーー!!
」
(ガシッ)(←浦原を羽交い絞め)「まあ落ち着け。テッえもん、浦原は儂が取り押さえておるから、
やれ!
」
「はい! さあ行きますぞ! ♪
ポ 〜 ケ ッ ト 〜 の 〜 な 〜 か 〜 に 〜 は 〜 チ ョ コ レ イ ト 〜 が 〜 ひ 〜 と 〜 つ 〜
♪
♪
ポ 〜 ケ ッ ト 〜 を 〜
た 〜 た 〜 く 〜 と 〜
チ ョ コ レ イ ト 〜 は 〜 ふ 〜 た 〜 つ 〜
♪
・・・ ハ イ !
(フン!)
(パリーン!)
」
テッえもんが(野太い声で)歌いながら自分の
股間のあたりを
グーでヒットすると、硬いものが割れるイヤ〜な音がした・・・。
「ぎゃああああ! チョコレートが
テッサイのトワイライトゾーン
(=インサイド袴)
で割れたーー!!
」
「うむ! 見事な割りっぷりじゃテッえもん!」
「さあ更に参ります! ハイ一緒にご斉唱を!
♪
た 〜 た 〜 い 〜 て 〜 み 〜 る 〜 た 〜 び 〜 チ ョ 〜 コ レ イ ト 〜 は 〜 ふ 〜 え 〜 る 〜
♪
(フン! フン! フン! フン! フン!)(パリーンパリーン・・・
ネト・・・ッ ニチャ・・・ッ ヌト・・・ッ
)」
「うあああしかもなんか
溶けはじめた音するー!!
(泣)」
「ふむ、もうそろそろ良かろう。チョコレイトを返してやるがいい、テッえもん」
「もうよろしいのですかな? ではお返しいたしましょう。はいどうぞ(ポンッ)」
「嫌だあぁぁぁやっぱり微妙に
生 暖 か い ッ ス ー ー !!(泣)
」
「ぐっじょぶ☆じゃ、テッえもん。さあ浦原よ、折角テッえもんが
人肌に
温めてくれたチョコレイトを食し、せいぜい心を温めるが良い!」
「この不肖テッえもん、お力になれて光栄でございました。勿論
残すことなく
召し上がっていただけますな! なにせ丁度良く
人肌に
なりましたからな!」
「人肌人肌って言わないでください
生々しいから!!(汗)
ていうか
当初と趣旨変わってるじゃないッスか!!
」
「(ガン無視)任務完了ですな! それでは我々はそろそろお暇を。このテッえもん、また浦原隊長のお力になれる日を待ち望んでおりますぞ!(シュタッ☆)」
「困った時にはいつでも儂らを呼ぶがいい! ではな!(シュタッ☆)」
「二度と呼ぶもんですか! アタシのチョコレート
かーえーしーてーぇぇぇぇー!!(号泣)
」
・・・こうして一人残された浦原の手には、
(ちょっとスッパい匂いがするかもしれない)
生暖かいチョコレートが残されたのだった・・・。
号泣する浦原は、まさか後々数百年にわたって
尸魂界を揺るがすことになる
伝説の発端に自分が立ち会っていたとは思いもつかず、ただただ黄昏に染まる十二番隊舎に哀れな嗚咽を響かせるばかりであった・・・。(チーン★)
Fin.
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